無人航空機について

最近では マルチコプター(回転翼機)を指すようになったみたいです。

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曳航(えいこう)

動力を持たないグライダーなどが、他の飛行機等によって上空まで引っ張ってもらうこと

国土交通省に提出する許可、承認申請における機体の重量は、空虚重量に燃料やバッテリーの重量を加えた重さを記載

空虚重量とは、機体のフレームやローター等の動力装置の重さ

航空業界

ICAO 国際民間航空機関

全世界で統一の航空基準を定めている機関

JCAB(国土交通省航空局)

FAA(連邦航空局)

EASA(欧州航空安全機関)

日本を含め、多くの国の航空法は、ICAOが定める国際民間航空条約を批准して決められています。

ドローン基礎知識

ドローン 無人航空機に属する

UAV 無人航空機に属する

マルチコプター 回転翼機である

プロポ 送信機である

クワッドコプター ロータ数4枚

ヘキサコプター ローター数6枚

オクトコプター ローター数8枚

ランディングギア 降着装置

スキッド 降着装置

ブレード 回転翼

リトラクダブルギア 引込脚

機体の動き

エレベーター 前進させるための舵の操作

ラダー ヘッディング(機首)の方向を変える舵の操作

エルロン 機体のバンク角を変える舵の操作

コレクティブピッチレバー ヘリコプターを上昇させるために必要な蛇

ホバリング 機体を空中で静止させる操作

ピルエット 回転すること

クライム(climb) 上昇

ディセンド(descend) 下降

ターン 方向を変える

テイクホフ 離陸

ランディング 着陸

フレアー操作 進行する機体を静止させるために機体を傾けること

飛行機は一般に対気速度を基準に操縦します。

対気速度(エアースピード) 飛行機が空中で受ける風に対する速度

対地速度 地上に立っている人から見て飛行機が飛ぶ速度

機体にかかる力

失速

揚力は、翼の上と下の風の流れる速度が変わり、揚力が発生します。角度が(臨界迎え角)を越えると、空気の流れが、翼の表面を追従できなくなり、揚力が発生しなくなります。この状態のことを失速 または ストーと言います。

応力 部材に加わる内部の力

フェイルセーフ構造 万が一の故障(破損)に備え、一つの部品が壊れても、飛行に影響が出ないように部品を組み合わせる(設計する)ことを言う。

代表的なフェイルセーフ構造

  • レダンダント構造
  • ダブル構造
  • バックアップ構造
  • ロードドロップ構造

気象と風

風速 大気の流れを風と捉え、その速さを表したもの

風向 風の吹く向き

単位 m/s メートル毎秒 kt ノット

自然が作り出す上下に吹く風

上昇気流 下降気流

エアポケット 局所的な下降気流

高気圧というのは、地表における気圧が高い状態を言います。現象としては、上空から空気が降りてきて、地表にぶつかり、拡散するイメージです。

低気圧の場合は、地表における空気の圧力が下がり、周りから空気をかき集めて、それらがぶつかって上昇するイメージです。低気圧の場合は、上昇気流が発生し、雲が出来るため、天気も悪くなります。

摩擦層 

地表から約1000m〜2000mの高さ

ダウンウオッシュ ヘリコプターやマルチコプターが作り出す下向きの風

ボルテックスリング 機体の降下に合わせてブレード下に渦状の風を発生することを言います。 この状態になると、機体は振動し、制御が難しくなります。この時ブレード周りには乱れた空気しか存在しなくなるため、揚力を失います。この状態をセットリングウイスパーと呼びます。

地面効果 ヘリコプターやマルチコプターが地面近くを飛行すると、そのダウンウオッシュニッより機体と地面の間の空気が圧縮されることで、揚力が増す現象が発生する現象をいう。

機体の構造と姿勢制御

ブラシレスDCモーター 

電気が流れるコイルを固定し、磁石のついた回転子を回します。そのため、コイルに流す電気を制御するだけで、回転をし、機械的接触部分を小さくすることが可能となります。このタイプのモーターは、構造が簡単で、メンテナンスも入りませんが、コイルに流す電流を細かく制御しなければいけないため、回転させるためのは(ESC)と呼ばれるコントローラが必要になります。また、バッテリーから送られてくる大電流を制御信号に応じてその流れを制御するという役割も果たしてます。

GPS(Global Positioning System)

宇宙に点在するGPS衛星から送られてくる信号を受信し、解析する事で、地球上のどの位置にいるかを正確に知ることができるシシテムです。

機体の状態を計測するセンサー類

加速度センサー

機体の進行や姿勢(傾き)を計測するセンサー

ジャイロセンサー

機体の回転を計測することができるセンサー

※ これらのセンサーから得られた計測値を瞬時に計算することで、機体を安定させるよう制御できます。これらのセンサーは正確な計測結果を得るため、できるだけ機体の重心(中心)に設置することが求められます。

角速度

円周上を移動する速さ(回転速度)を表すものが角速度です。

姿勢制御

姿勢制御

マルチコプターには、コンピューターによる(姿勢制御装置)が搭載されています。自動離陸機のや自動帰還機能など高性能が進んでいます。加速度センサーから取得した回転状態をもとに、落ち込んでいる側のローター出力を増加します。ジャイロセンサーから取得した回転状態をもとに、ラダー制御を行います。GPSから取得した位置情報をもとに、同じ位置にホバリングできるようすべての舵を制御してくれます。

送信機

マルチコプターの飛行には、プロポと呼ばれる送信機を使用します。エルロン、エレベーターラダー、 上昇下降操作により飛行します。

プロポのチャンネル数

6ch 8ch 12ch 14chといったものがあります。

トリム操作

飛行中に風や、ブレードの揚力の差などが原因で、安定した飛行が出来ない場合があります。トリムを利用することで、舵のニュートラルポイントを変更し、常に舵をとった状態を作り出す事ができます。そこで用いられるのが、トリムと呼ばれる機能です。

テレメトリーシステム

飛行中の機体から高度や速度、バッテリー電圧といった情報を取得し表示する事ができるシステム

バッテリー

ニッケル水素バッテリ
現在、最も流通しているバッテリーで、安全で取り扱いやすく、充電容量が大きい事が特徴です。メモリー効果があることや、自然放電が大きいなど短所もあります。
リチウムフェライトバッテリー
リチウムポリマーバッテリーのような発火する危険は少なく、安全である。メモリー効果もなく、取り扱いがよういですが、高価であり流通量が少ない事と、リポバッテリーに比べると、出力が弱いという欠点があります。
リチウムポリマーバッテリ
エネルギー密度が高く、同じ重さでもより大容量の電気を蓄える事が可能で出力も大きいのが特徴です。メモリー効果などありませんが、過放電、過充電に非常に弱いことや、可燃性の素材からできており発火の危険があることから取り扱いに細心の注意が必要です。

リポバッテリーの充電 注意が必要でる

リポバッテリーの充電に使用する充電器の選択を誤ると、発火や爆発といった重大な事故に繋がる可能性があります。例えばニッケル水素バッテリー用の充電器でリポバッテリーを充電した場合、充電は可能ですが、満充電になっても充電が止まらず、過充電状態となり発火します。これは、ニッケル水素バッテリー用充電器の多くが、ニッケル水素バッテリー特有のデルタピークという現象を検出して充電を終了するですが、リポバッテリーにはこの現象が起こらないためです。

リポバッテリーの性能表示

リポバッテリーは(セル)と呼ばれる単位で製造されています。リポバッテリーのセル一個は、起電力が3.7vで1Sと表します。容量を表す単位としてmAhミリアンペア時を使用します。

リポバッテリの保管

残量60%程度にして保管するのが適切である。

リポバッテリの廃棄

ゆっくり放電する必要があるために塩水に沈めて放置するという手段があります。完全な放電には、数日から数週間という時間を要します。そして、自治体の指示に従い処分します。



操縦者責任

無人航空機を含む航空機が事故を起こした場合、操縦者が(民事責任)(刑事責任)(行政上の責任)を負わなければならない。よって第三者に被害が被らないようにしっかりとした知識を身につけ、操縦技術の向上に日々取り組み、安全なフライトプランを立ててフライトを行う事が重要である。

民事責任 事故により第三者の建物を傷つけたり、物を破壊したり人体を傷つけた場合、それを補償する責任

刑事責任 刑事法により禁止された行為を行うことで、罰金や懲役などの刑罰を受けることを言います。

行政上の責任 行政による許認可取り消し等の不利益処分を言います。



賠償保険と機体の保険

個人で無人航空機を使用する場合と、業務で無人航空機を使用する場合で加入すべき保険が異なっています。

個人の場合 一般財団法人 日本ラジコン電波安全協会

業務の場合 詳しいことは近くの保険代理店に相談

トラブルの予測

原因現象
突風機体が大きく傾き制御不能になる。
傾き角が限界を超えローターが停止する。
降下時バランスを崩し制御不能になる。
傾き角が限界を超えローターが停止する。
セットリングウイズパワーにより揚力を失う。
障害物に接触樹や建物に接触し制御不能になる。
バッテリー切れローターが停止する
十分な揚力を発生できなくなる。
電波トラブルノーコンになる。

飛行記録

飛行年月日無人航空機を飛行させる者の氏名
無人航空機の名称飛行の概要(飛行目的及び内容)
離陸場所及び離陸時刻着陸場所及び着陸時刻
飛行時間無人航空機の飛行の安全に影響のあった事項(ヒヤリ.ハット)
無人航空機を飛行させる者の署名

航空法

航空法の目的

国際民間航空条約の規定ならびに同条約の附属書として採択された標準、方式及び手続きに準拠して、航空機の航行の安全及び航空機の航行に起因する障害の防止を図るための方法を定め、ならびに航空機を運行して営む事業の適正かつ合理的な運営を確保して輸送の安全を確保するとともにその利用者の利便性の増進を図ること等により、航空の発達を図り、持って公共の福祉を増進することを目的とする。

航空機の定義

第二条第一項 この法律において(航空機)とは人が乗って航空の用に供する事ができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器をいう。

無人航空機の定義

第二条22項 この法律において(無人航空機)とは、航空の用に供する事ができる飛行機、回転翼機、滑空機、飛行船、その他政令で定める機器であって構造上人が乗る事ができないもののうち、遠隔操作または自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させる事ができるもの(その重量その他の事由を勘案してその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして国土交通省令で定めるものを除く)をいう。

無人航空機の飛行禁止空域

1 空港等周辺

2 高さ150m以上の空域

3 人口集中地区の上空

小型無人機等飛行禁止法(警察庁管轄)

詳細は  国土交通省